ドイツでは春になると、いちごやルバーブと同様に、白アスパラも一斉に市場に出回ります。
白アスパラも春限定で、とても愛されている食材の一つです。今回はこの白アスパラについて説明します。
<結論:白アスパラとは>
ドイツ全土で、とても愛されている春の野菜
名前
ドイツ語では白アスパラは、Weißer Spargel(ヴァイサーシュパーゲル)、といいます。
直訳で白いアスパラ、そのままです。そのほかの言い方としてBleichspargel(ブライッヒシュパーゲル)、とも言います。ブライッヒは真っ白と、いう意味の単語です。
ちなみに…Bleichmittel(ブライッヒミッテル)は漂白剤という意味です。それ程真っ白なアスパラ、と言えますね!
白と緑のアスパラの違い
この二つの色のアスパラは違う品種と思われがちですが、実は同じ品種です。
白アスパラは地面の中で育ち、あるいは土をかぶせて光を遮断し、先の方が地上に出たらすぐに収穫されます。
それに比べて緑アスパラは、太陽の光を浴びて育ち、出荷できるほど長くて大きく育たないと、収穫されません。その分太陽光を多く浴び、光合成をしてクロロフィルという緑色の色素を形成します。
栄養学的には緑アスパラの方がビタミンが豊富なので、白アスパラより優れていると言えます。味の違いとして例えるなら、ブロッコリーとカリフラワーのようなイメージになります。
調理方法もそれぞれ違い、緑のアスパラは茎の下の方のみ皮を剥きますが、白アスパラは皮が厚いので、全体を剥きます。
ドイツでは白アスパラの方が価値が高いと考えますが、フランスでは逆に緑アスパラの方が良い、と考えるようです。隣の国でも価値観に違いがあり、面白いです。
シーズン
天候や気温などにも左右されますが、白アスパラを食べられる期間は限られていて、だいたい4月初旬ころから新鮮なものを買えるようになります。
ルバーブと同じく、6月23日の聖ヨハネの日頃を目安に、シーズンを終えます。
緑アスパラはたいていの場合、通年通して購入することができますが、白アスパラはこの時期にしか出回りません。ドイツではこの時期になると、ほとんどのカフェやレストランで、白アスパラを使った料理が提供されています。
鮮度の見極め方
まずは全体をチェックします。
茶色くなっていたり、傷んでいるものは鮮度が低いです。穂先が少し湿っている状態がベストといわれています。
一番わかりやすいのは、茎の一番下の切り口を見ることです。鮮度の高い白アスパラは、その部分も湿っていて、白い色のままです。
新鮮ではない白アスパラは味が落ち、食感も悪くなります。
調理方法
白アスパラを使ったドイツ料理で有名なのは、Spargelsuppe(シュパーゲルズッペ)-白アスパラのクリームスープ、またはWeißer Spargel mit Sauce Hollandaise(ヴァイサーシュパーゲルミットゾウゼホロンデーズ)-茹で白アスパラのホランデーズソースかけ、などがあります。
白アスパラ自体は生でも食べることができますが、茹でてから食べることがほとんどです。白アスパラの下部を1㎝から3㎝ほど切り落とし(鮮度と太さによって変わります)、皮を剥いてから、調理します。
ゆで汁には、塩、砂糖、レモン、あるいはレモン汁とバターを加えます。これは香り付けの目的はもちろんですが、白アスパラに含まれる苦みを抑える効果があります。
ドイツで1番良い!とされているゆで方は、白アスパラを立てて入れることのできる深くて細い鍋で、ゆでることです。穂先は一緒にゆでてしまうと柔らかくなりすぎて、食感と味が落ちてしまいます。そのため、お湯から先が出ている状態でゆでるのがベストです。その場合は、紐で白アスパラを束にまとめてからお湯に入れると、ゆでやすいです。
白アスパラを立てて入れれるぐらいの、細くて深い鍋…珍しいです!
ゆで汁を捨てずに、白アスパラから切り落とした芯の部分や皮と一緒に更にゆでると、白アスパラの出汁がとても強く出ます。この汁をSpargelfond(シュパーゲルフォン)といい、よく白アスパラのクリームスープとして使用されます。
豆知識
ドイツでは白アスパラ専用のピーラー、鍋なども販売されています。この4月から6月だけしか出回らないものなのですが、やはりとても愛されている食材だけありますね。
まとめ
白アスパラはすでに紀元前3000年ほどからすでにエジプトで食されていたといわれており、とても歴史のある美味しい野菜です。
日本でも場所によっては販売されているようなので、ぜひ見かけたらお試ししてみて下さい!
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