ドイツ秋のイベント・聖マルチン祭とは?5つの豆知識とオススメレシピ

聖マルチン祭 ドイツ生活
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Laterne, Laterne, Sonnen, Mond und Sterne…♪

聖マルチン祭で有名な歌の、サビの部分ですね。

僕は昔、デュッセルドルフで暮らしていました。小学生だったころに自分で作ったランタンを持って、11月11日に友達とマルチン祭で歌った記憶があります。

聖マルチン祭は、宗教的なものでもあり、日本では聞きなれない行事ですね。この行事、ドイツでは毎年11月11日に行われます。

今回は豆知識として、歴史や背景、どういう行事なのかを紹介していきたいと思います。

聖マルチン祭って何をする行事?

聖マルチン祭は毎年11月11日に行われます。地方によっても差がありますが、基本的には子供たちがメインの行事になります。

当日前に子供たちは、自分たちでLaterne(ラテルネ)と呼ばれるランタンを作ります。これは学校の図工の授業で作ることも多いそうです。

当日の夜、暗くなってからランタンに光を灯し、歌いながら行列を作って歩いていきます。行列の先頭には馬に乗って、司教の格好をした人がいることが多いです。街によっては市長がやったり、役者の方を起用したりと、まちまちのようです。

行列がない場合もありますね。その場合は子供たちがそれぞれグループを作り、お店や家を訪ね、歌を歌ったり、祝福の言葉を述べたりして、お菓子やパンをもらいます。ハロウィーンによく似ていますが、全く違う行事です。

僕が小学生だったころやっていたのは、友達と一緒に回りました。どのお店に行けば美味しいお菓子もらえるかな、なんて話してた記憶があります。懐かしいですね。

そもそもマルチンってだれ?

そもそも、このお祭りの名前にもなっているマルチンとはどういう人物だったのでしょうか?

マルチンは今から約1600年前、西暦316年に、現在ではハンガリーに位置するローマ帝国の街で生まれた実在の人物です。ローマ帝国の軍人として働いていましたが、後にキリスト教の司祭になります。

この司祭になるきっかけとなったエピソードが、とても有名です。

ある寒い冬の日、マルチンが歩いていると、彼は寒さに震える乞食と出会いました。マルチンは、その時パンやお金など、彼に与えられるものを何一つもっていなかったので、彼の着ていた軍服のマントを、自分の剣で半分に切り乞食に与えました。

その夜、マルチンの夢に乞食が出てきた彼は、自分をイエスキリストと名乗り、彼の慈悲深い行動を誉めました。これがきっかけで、マルチンは司祭を目指すことになります。
マルチン祭の起源ともなった、有名なエピソードです。

その後彼は、現在のフランスのトゥールで司祭として働き、布教活動を行い、数多くの貧しい人々や除け者にされた人々を助けたと言われています。その慈悲深い行いにより、彼は聖人とされました。

なぜ11月11日に行われる?

なぜ11月11日に行われるのでしょうか?

実はこの日はマルチンの命日、あるいはお葬式の行われた日だったと言われています。

西暦397年、81歳で彼は亡くなったようです。

諸説ありますが、彼の行いを祝うためにこの日が聖マルチンの日と定められました。

ランタンを持っていくのはなぜ?

これにもいくつかの説がありますが、マルチン司祭が亡くなった際に、多くの人々が灯りをともしながら彼を墓に運んだのがきっかけ、と言われています。

他にも、希望の光、暗黒を照らし出す聖なる光など、キリスト教も関わり、いろいろな意味のあるランタンのようです。

昔は焚き木が用いられていたようですが、現在ではランタンが一般的です。

ランタンは、学校の図工の時間で作ることが多いです。デザインを自分で考えて、色画用紙やセロファン紙などを使って、カラフルなランタンを作ります。

聖マルチン祭の食事

マルチン祭が近づくと、パン屋さんでは人の形をしたパンが売られ始めます。

ベックマン(Weckmann)と言われるこのパンは、マルチン祭に向けて作られるパンです。ふわふわした白パンなので、食べやすいパンですね。パンの持っているパイプのようなものは、司教の持つ杖を表しているようです。

他にもガチョウが食べられることも多いです。このガチョウに関したエピソードもあります。

マルチンが司教になる際、自分は司教にふさわしくないと思い任命式を抜け出し、ガチョウ小屋に身を隠していました。彼はとても控えめで、自分には務まらないと感じていたそうです。

ですが、ガチョウがとても騒いだため、街の人に見つかり、彼は司教に任命されてしまいました。

こういうエピソードがあったため、ガチョウを食べる習慣ができたそうです。

ちなみに、別の言い伝えによると、マルチン司教がミサをしているときに、ガチョウが入ってきて邪魔をしたから、なんていう言い伝えもあります。

オススメレシピ

ドイツ伝統菓子パン
べックマン

難易度★★☆☆

上の項目でも書きましたが、聖マルチン祭の時期に、パン屋さんで一斉に売られる人型の白パン・ベックマンです。

簡単なイースト生地で、ふわふわしているので日本人にも食べやすいパンかなと思います。成形に少しコツがいりますが、割と簡単に作れます。ブログ記事はこちらです。


鴨のオーブン焼き
オレンジソース付き

難易度★★☆☆

聖マルチン祭には、厳密にはガチョウを使用することが多いですが、このレシピは鴨を使用しています。クリスマスディナーとして作ったものですが、聖マルチン祭の食事にもぴったりです。

作り方は鴨でもガチョウでも変わりませんが、ガチョウの方が大きいため、焼き時間は多めにとりましょう。

まとめ

ドイツで小学校に通っている子供たちは、今ちょうど学校でランタンを作っている時期でしょうか。

日本では馴染みの無い行事なので、きっとドイツ在住日本人の方にとっては、珍しいですよね。

ぜひこの記事を参考にして、聖マルチン祭をお楽しみください!

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