ドイツのスーパーにはたくさんのドライフルーツが並んでいます。Rosinen、Sultanien、Korinthenなど、レーズンっぽいものはいくつかあるけど、どれがどれだかわからない、なんてことはありませんか?
あまり知られていないですが、製造過程の違いやぶどうの種類で名前が変わります。今回はドイツのレーズンの種類と特徴に関して説明したいと思います。
<結論:ドイツのレーズン事情>
ドイツのレーズンは、主に3種類に分けられる。
いずれもパンやお菓子作りには同じように使用OK!
レーズンについて
レーズンはぶどうを乾燥させたものです。ドライフルーツの一種で、パンやお菓子作りだけではなく、サラダなどの料理にも使われることもある食材です。
歴史は古く、紀元前13世紀ごろ、今のスペインやギリシャの地域にあったぶどう園で偶然自然乾燥したブドウが見つかったことが、起源といわれています。
ドイツでもレーズンパンや、クリスマスの時期に有名なシュトーレンにも多く使われます。シュトーレンやレーズンパンのレシピはYoutubeにアップしているので、ぜひご覧ください。
ドイツでのレーズンの種類
ドイツのレーズンは大きく分けて3種類あります。
- Rosinen(ルジーネン)
レーズンを翻訳する場合、あるいはレーズン全般を指す言葉として、Rosinenが用いられます。Rosinenは丸みがあり、色は黒く、他の種類に比べても大粒で甘いです。 - Sultanien(ズルターニエン)
SultanienはRosinenよりも大きく、楕円形に近い形です。色は黄色からオレンジに近く、味ははちみつのような甘さがあります。このRosinenとSultanienは実は同じ種類のSultana-Traube(ズルタナトラウベ)と言われる品種から作られています。ですが乾燥させる際の作業工程が異なります。ドイツで多く流通しているのはトルコ産のブドウです。 - Korinthen(コリンテン)
Korinthenは他の種類よりも小さく、色は薄い茶色から種類によっては濃い茶色になります。味は甘さの他に少しだけ酸味があります。この品種はおもにギリシャで作られています。
製造過程の違い
Sultanienは乾燥前に炭酸カリウムとオリーブオイルを合わせたものを、吹きかけています。こうすることで乾燥時間を3日から5日に短縮でき、乾燥時間が短いので、色もきれいな黄色になります。
Rosinenはこの工程を入れない代わりに、乾燥時間が5日から7日と少し長くなります。そのため色も濃くなります。
どの種類も基本的な乾燥方法は同じです。
収穫後、吊るして干したり、天日干しにして乾燥させます。水分量は15から18パーセント残ります。その後ついている枝を取り除き、洗浄して、そのあとまた乾燥させます。その際、ヒマワリの種油をつけてくっつかないようにするそうです。
酸化防止
RosinenとSultanienはたいていの場合乾燥後、二酸化硫黄を使用して酸化防止をしています。
これは変色や味の劣化を防ぐ効果があります。他のドライフルーツやワインなどにも使われる手法ですが、亜流塩酸アレルギーとして、反応が出る場合もあるので注意が必要です。
基本的にKorinthenには使われていません。
栄養素
レーズンに含まれる果糖とブドウ糖は、砂糖よりも吸収されやすく、スポーツ選手の食事などにも取り入れられています。
カリウムが多く含まれているので、熱中症や夏バテ対策にもオススメです。生のブドウと比べても約5倍量が含まれています。夏場の食欲が低下する時期でも手軽に食べることができるのでオススメです。
食物繊維も多く含んでいます。特に水溶性と不溶性の両方が含まれている優秀なドライフルーツです。
そのほかにも鉄分が多く含まれています。
結論
どの種類のレーズンも、トルコやギリシャだけではなく、オーストラリア、アメリカ、主にカルフォルニアなどの国から来ていることもあります。日本ではカルフォルニア産が大半だそうです。
ドイツでは近隣の国から輸入されるレーズンですが、興味のある方はぜひ味比べをしてみて下さい!
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