日本で洋菓子職人を指す場合は、主に「パティシエ」という言葉を使用することがほとんどだと思います。パティシエはフランス語ですね。ドイツ語では菓子職人を指す言葉がいくつかあります。
僕もパティシエの修行を始めたときには、正直違いを完全に理解してはいませんでした笑
簡単な違いですが、少しややこしくもあります。店によってはあまり違いを明確にせず、混ぜて使うところもありますね。今回はその違いについて書いていきたいと思います。
<結論 コンディトアとパティシエの違い>
ドイツ語で菓子職人はコンディトア!パティシエの意味は日本語とは少し違う!
パティシエ、コンディトア???
ドイツでパティシエになりたい!という思いを持ってドイツに来る方もいると思います。ですがドイツでパティシエの修行がしたいと考えて、パティシエと検索しても実はあまり多く出てきません。なぜならパティシエは、ドイツではあまり使われる言葉ではないからです。
僕も昔住んでた家の大家さんにパティシエやってるんだと話したら、パティシエって何?と聞き返されて驚いたことがあります笑
ドイツでは一般的な言葉ではないんだなと思いました。
結論から言えば、ドイツで菓子職人を指す言葉はKonditor(コンディトア)になります。ドイツで菓子職人を目指す方はこちらを検索してみてください。
ここまで見ると、ドイツではPatissier(パティシエ)という言葉がないように見えますが、実はこちらも使われる言葉なんです。ですが日本のように洋菓子職人全般をパティシエと呼ばずに、仕事場や仕事内容によって菓子職人をパティシエと呼称します。次の項目ではその違いについて説明します。
パティシエとコンディトアの違い
- Patissier(パティシエ)
まずパティシエですが、ドイツでは主に、レストラン、ホテル、フランス系パティスリーやカフェで働く菓子職人を指します。
パティシエは実はレストランのキッチンのデザート担当を示す言葉なんですね。例えばアントルメティエはスープなどの温かい前菜や野菜の付け合わせ担当、ソーシエはソース作りや肉、魚などのメイン担当、ガルドマンジェはオードブルと冷たい前菜担当など、キッチン内での担当があります。
もともとはフレンチのシステムですが、ドイツでも基本的にはこのシステムが使われることが多いです。
パティシエは主にコース料理のデザートを作ることが多いです。ケーキやパンよりも、例えばクレームブリュレやプリンなどのデザートを作ることが多いですね。繊細で芸術的なデザートを作るイメージです。
僕もホテルやミシェラン星付きのレストランで働いていた時は、パティシエと名乗っていました。
- Konditor(コンディトア)
そしてコンディトアは主に、パン屋、フランス系以外のカフェ、コンディトライ(ドイツのお菓子屋さん)で働いている方を指します。コンディトライはドイツではたいていの場合パン屋さんと統合されていることが多いので、デニッシュ生地を使用したクロワッサンや菓子パン、ドイツケーキを作ることがほとんどです。
正直、個人的には仕事内容はパティシエの方が楽しいです。コンディトアに比べて、繊細なものを作ることが多く、やりがいがあります。
とはいえドイツでは「パティシエの修行」というものは存在せず、菓子職人を目指す場合は、「コンディトアの修行」をすることになります。言葉の違いはありますが、内容は同じように菓子職人を目指す修行となります。
つまりドイツ語での菓子職人のオフィシャルな呼称は、コンディトアということになります。コンディトアは全般を指し、パティシエはそのうちの一部と考えてもいいと思います。
ショコラティエ
こちらもコンディトアの一部を指す言葉ですね。ショコラティエは日本語でもおなじみの、チョコレート職人を指します。ドイツでショコラティエを目指す場合も、最初にコンディトアの修行をする必要があります。
ドイツでパティシエになる
ドイツでコンディトアになるためには、最初に3年間の修行が必要になります。この期間は給料も低く、週何日かは学校にも通わないといけません。そして最後の筆記試験と実技試験を通過して、やっとプロとしての1歩を踏み出すことができます。
とはいえ、もし日本やその他の国ですでに経験がある場合、この修業期間を終えなくても、プロのパティシエとして仕事をすることは可能です。
特に最近のドイツでは、どの店も職人不足に悩まされている印象です。なので、経験のある職人は重宝される傾向にあると思います。
まとめ
少しややこしいですが、ドイツではコンディトアが菓子職人全般を指し、パティシエはその一部、そして大きな違いは、仕事内容と職場の種類だけです。豆知識的な感じで覚えておいてください笑!
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