キルシュヴァッサーはドイツ、スイスやオーストリアなどで作られている蒸留酒の一つです。特にその中でも有名なのはドイツ・シュバルツヴァルト地方(通称・黒い森)で作られるものです。
キルシュやキルシュヴァッサーとも呼ばれますね。僕は日本語では、キルシュという名称を使っています。
このキルシュを使用する一番有名なケーキはシュバルツベルダーキルシュトルテ/ Schwarzwälderkirschtorte、いわゆる黒い森のサクランボケーキですね。
日本ではフランス語のフォレノワールの名前で有名だと思います。
過去にブログでも紹介しているので、ぜひこちらの記事もご覧ください!
<結論:キルシュとは>
ドイツのパティシエにとって、お菓子作りに欠かせない材料!
ドイツを代表する蒸留酒
言葉の意味
ドイツ語ではKirschwasserと書きます。
Kirsch(キルシュ)はさくらんぼという意味です。Wasser(ヴァッサー)は水です。直訳で「さくらんぼの水」を意味します。
このお酒はさくらんぼから作られているので、さくらんぼはそのままの意味です。
しかしなぜアルコール度数も高いこの蒸留酒に、水を意味する言葉が使われているのかというと、このお酒が透明で水のような見た目をしているからです。
Kirschbrand(キルシュブラント)という言葉もありますが、これはキルシュヴァッサーと同じものをさしたり、違う製法で作られたものを指したりもします。
Brand(ブラント)はそのままでは火災などの意味のある言葉ですが、この場合はWeinbrand(ヴァインブラント)、ブランデーという言葉を短くして、使われています。
キルシュについて
キルシュは上述の通り、さくらんぼから作られる蒸留酒の一つです。特に有名なものは、シュバルツヴァルト地方で作られるシュバルツベルダーキルシュヴァッサーです。これについては次の項目をご覧ください。
ドイツではスーパーなどでも購入できる、一般的なお酒ですね。
僕は製菓用コーナーで販売されている、小さな100mlのサイズの小瓶を使用しています。大きい瓶だと1ℓのものもありますね。家で使い切るのは大変です💦
使用されるサクランボは通常スーパーで売られているものとは違う種類が用いられます。品種としては、ドレンゼップラー、ベンジャミナー、シュットラーなどがよく使われます。
これらはブラントキルシェンと呼ばれ、果肉が少なく、小さめで色が濃く、甘い品種です。だいたい10kgのさくらんぼから1リットルのお酒を作ることができます。
シュバルツベルダーキルシュヴァッサーについて
Schwarzwälder Kirschwasser(シュバルツベルダーキルシュヴァッサー)は、原産地(黒い森地方)でのみ製造されたキルシュの名称です。
使用されるサクランボも現地、または近場で採取されたものが使用されます。
砂糖を加えることは禁止されていて、最低アルコール度数も40%以上と厳しく定めれています。
キルシュの製造
キルシュにはひとつひとつ丁寧に摘み取られたサクランボを、葉やへたを取り除き、すりつぶされたものが使用されます。
そして採取したその日のうちに、製造が開始されるそうです。発酵後、6週間ほど寝かせた後に、蒸留させて作られます。
貯蔵するときに樽ではなく、ガラスの容器や磁器を使用することで、着色されずに、透明に仕上がります。
キルシュの用途
食後酒として飲まれるほかにも、カクテルの材料と使われることもあります。
ドイツではお菓子作りの材料としてはクリーム、焼き菓子、シロップやマジパンの香り付けに用いられます。特に有名なものは黒い森のサクランボケーキです。個人的にはベリー系の味にも合うと思いますね。
キルシュが手に入らない場合の代用方法は、香りは変わってしまいますが、ほかの洋酒やラム酒、ブランデーなどで代用可能です。洋酒がない場合、もしくはアルコールがNGという方は、省略してしまってもOKです。
豆知識
民間療法として、キルシュと塩を合わせて傷口に塗るというものがあるようです…
これは特に科学的根拠もなく、悪化させる可能性も高いので止めておきましょう。
まとめ
ドイツのパティシエには欠かせない材料の一つであるキルシュヴァッサーは、ドイツを代表するお酒の一つです。
味はさくらんぼの甘さとは違い、少しほろ苦く、独特な香りがあります。日本では手に入りにくいかもしれませんが、機会があればぜひお試しください!
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