チョコレートを扱うレシピを見ているとよくココアバター、あるいはカカオバターという表記を目にしますね。なかなか家で常備している材料ではないと思います。
パティシエでも特に、チョコレートを扱うショコラティエは本当によく使う材料の一つだと思います。
あまり馴染みのないものだとは思いますが、今回はそんなココアバターに関しての記事をまとめてみました。
ドイツでパティシエになる方法はこちら
<結論:ココアバター・カカオバター>
チョコレートを構成する欠かせない材料の一つ!
いろいろな用途があり、意外と便利な食材!
アレルギーの心配もない!
言葉の意味
まずはココアバターとカカオバターの言葉の違いに関して説明していきたいと思います。
結論から言うとこれは同じものです。特別に違いもありません。お店によっては焙煎したもの、焙煎していないものなどの括りで分けているところもあるようですが、基本的には同じものと考えて大丈夫です。
ドイツ語ではKakaobutter(カカオブッター)と言われます。Kakaoはそのままカカオという意味です。Kakaobohne(カカオボーネ)はカカオ豆、Kakaopulver(カカオプルバー)はココアパウダーなど、チョコレートに関する言葉によく使われる言葉です。Butterはバターを意味しています。
ココアバターについて
ここからはココアバターのみで表記していきますが、上記の通り、カカオバターも同じものなのであまり気にせず読み進んでください。
ココアバターはチョコレートを作る過程でカカオ豆から抽出した油分です。通常カカオ豆は40から50%の油分を含んでいて、それがココアバターとなります。用途に関しては後述しますが、主に製菓、特にチョコレートや、化粧品や薬品としても使われることがあります。とても用途の広い食材です。
ココアバターの性質
ココアバターは常温では固形ですが、30℃~35℃に温めると溶け始めます。なので製菓用として扱うときは体温で温めすぎないようにしましょう。
色は薄黄色い色合いで、基本的には無味無臭です。味やにおいにクセがないので、非常に扱いやすく、広い用途で使える油分です。
ですがチョコレートと同じく、カカオ豆を原材料としているため、年々収穫が難しくなり、高価になってきています。ドイツでは品ぞろえのいいオーガニック系のスーパーに売られています。
アレルギーはあるの?
バターと聞くと、乳製品に聞こえますね。ですがココアバターはカカオ豆から作られているので、ビーガン食材の一つです。乳成分は全く含まれていません。
パティシエとしては特にビーガンのデザートを作るときには重宝しますね。
僕も昔、ホテルで働いていた時はココアバターを使って、ヴィーガンチーズケーキを焼いたりしました!
またココアバターは、カカオに含まれる成分を取り除いたものなので、カカオアレルギーがある方でも。アレルギー反応が起きない嬉しい食材です。
ココアバターの用途
パティシエとしてココアバターは、例えばボンボンショコラの模様や色をつけるときに使用します。テンパリングしたココアバターに色をつけて、スプレーしたり、筆でなぞったりするとボンボンショコラに模様をつけることができます。
よくインスタなどでもこの方法で綺麗なプラリネを作っている方をよく見ます。
そのほかにもココアバターを加えると、チョコレートがサラサラになるので、ボンボンショコラのチョコレートの層を薄くしたい場合に用いられます。
ドイツではマジパンで作ったフィギアやお菓子を乾燥から守るために溶かしたココアバターを薄く塗ったり、スプレーしたりすることもあります。こうすることで、乾燥から守り、マジパンを長持ちさせてくれます。
ココアバターを使用したmotomoneレシピ
ココアバターを使用してホワイトチョコレートのザッハトルテを作りました!とても難易度の高いケーキです、特にフォンダンがとても難しいですね💦
難易度★★★★★
ブログ記事はこちらになります。とても難しいですが、真っ白で、見栄えがとてもいいケーキに仕上がりました!
まとめ
今回は簡潔に書きましたが、ココアバターはチョコレート、特にクーベルチュールチョコレートを説明するうえで欠かせない食材です。チョコレートはパティシエとして欠かせない食材なので、いずれクーベルチュールとチョコレートに関して詳しく書きたいと思っています。そのときに改めてもう一度詳しく説明します。
参照
Josef Loderbauer(2009)”Das Konditorbuch in Lernfeldern”
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