ドイツのパティシエ事情・料理人になる!

調理師の修行 ドイツのパティシエ事情
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以前のブログ記事で、ドイツでパティシエになる方法について書きました。今回は調理師になる方法をご紹介します!

実は僕はコンディトア(ドイツでのパティシエの名称)を修了したあと、そのまま料理人の勉強を始めました。そのときの経験を元に、詳細をまとめました。

<結論:ドイツで料理人になるためには?>
パティシエと同じく、3年間学校と職場に通い、試験に合格すればプロになれる

職業訓練-アウスビルドゥング-

パティシエになる方法のときもご紹介しましたが、料理人になるためにもこのアウスビルドゥングをする必要があります。

ドイツ語で料理人は”Koch”(コッホ)なので、料理人になるためには”Koch Ausbildung”(コッホアウスビルドゥング)をやります。

つまり3年間は職場と学校に通い、学ばなくてはならないということです。試験を合格して、プロの料理人と名乗ることができます。

ちなみに僕は、すでにパティシエの修行を終えていたので、コックの修行は3年ではなく2年に短縮することができました!
とはいえ、いくつか面接を受けましたが、そのほとんどが3年契約を提示されました…技術職なので、あまり短縮するのが好まれない傾向にありますね。

基本的には8月スタートです。冬にスタートする場合は、1月か2月になります。

州によって違いますが、給料は1年目で760€くらい、2年目、3年目でそれぞれ100€ずつ多くなります

学校に通う頻度は州によって異なります。僕の場合は2ヶ月働いて、1ヶ月学校に通いました。
他にも3週間働いて、1週間学校に通う等…かなり州や地区によって違いがあるようです。

学校で習う内容は、コンディトア(パティシエ)とあまり変わらないので、省略します。ぜひこちらの記事も併せて、ご覧ください。

職場選び

料理人の資格を取るためには、まずは職場を探さなければいけません。

レストラン、ホテル、ケータリング会社などはもちろん、病院、老人ホーム、学校の食堂でも、資格を持った教える人(マイスターなど)がいれば、料理人の修行をすることが可能です。

個人的な意見ですが、学べる内容にはかなり差が出てしまうと思います。正直、試験に合格するだけなら、どこで働いていても可能です。ですが、料理人としての技術を学びたい場合はレストランやホテルがオススメです。

レストランやホテルも残念ながらピンキリなので、できれば働き始める前に数日、Praktikum(職業体験)をするのがオススメです。

この職業体験期間中は、残念ながら無給ですが、仕事場の日常を見ることができるので、後々のことを考えても見学しておいて損はないと思います。

僕も職業体験は、結構いろいろなところでやりましたが、結局一番技術が学べると考えた、5つ星ホテルに決めました!

とはいえ、ホテルやレストランの場合は、仕事時間が長く、拘束時間も非常に長いというのも事実です。その点、病院や老人ホーム、学校などは仕事時間がちゃんと定められていて、ワーク・ライフ・バランスが良いという利点もあります。

ちなみに、料理人のアウスビルドゥング中でも職場を変える(転職)ことは可能です!料理人のアウスビルドゥングができる職場ならば転職できます。もし地区が一緒ならば、通う学校も変わらずに、そのままアウスビルドゥングを続けることができます。

学校は職場が申し込んでくれるので、自分で申し込む必要はありません。

ドイツのキッチンシステム

職場で習うのは、もちろん料理の技術、経験ですね。ドイツのキッチンはフランスのキッチンと同じように、ポストが分かれ、分業化されています。フランス語が出てくる機会も多いです。

簡単にシステムを説明すると、

  • Gardemanger(ガルド・マンジェ):
    主に冷たい前菜を担当、例えばサラダやテリーヌなどを作るポスト
  • Entremetier(アントルメティエ)
    温かい前菜、例えばスープや、メインの付け合わせを作るポスト。付け合わせは多岐にわたり、野菜はもちろん、パスタやお米などもこのポストが担当
  • Saucier(ソーシエ)
    メインとなる肉、魚を調理するポスト。デミグラスなどのソースを作るのもこのポスト。一番重要なポストなので、料理長が担当することが多かったイメージ
  • Patissier(パティシエ)
    デザートを作るポスト、食事と一緒に出すパンを担当することも。ガルド・マンジェと業務が似ているので、統合されている場所もある。

この4つのポストが基本となります。ポスト内でさらに分業されている場合もありますが、それはキッチンの大きさや規模によって違います。

僕の場合は最初の4カ月ほどはホテルの朝食ビュッフェで働き、その後ガルド・マンジェを6カ月、ソーシエを1年ほど、残りの期間をパティシエとして過ごしました。

残念ながらアントルメティエで働いた経験はほとんどないです…これは自分で選んだわけではなく、料理長が考えて振り分けるので、まあ縁がなかったと思うしかないですね💦

個人的にはパティシエとガルド・マンジェが楽しかったですね。前菜やデザートは、とても凝ったものが多く、作り甲斐がありました!

人によって好みは違うと思うので、すべてのポストを経験できるアウスビルドゥングは、料理の勉強をする上でとても良かったと思います。

ドイツで調理師になる利点

これはパティシエになる場合と同じく、コストが安く済む場合が多いということですね。日本の専門学校に通うよりは安く学べると思います。さらに修行期間中も、多くはありませんが、給料をもらえます。

ちなみに、調理師の給料は、コンディトアの給料よりも少し多いです!

とはいえ、さすがに自立して生活できるレベルではありません…

海外に出るキッカケにするのも、ドイツで調理師になる利点かなと思います。特にドイツ語圏の国で料理を学びたい場合は、ドイツはぴったりだと思います。

コンディトアと違い、調理師の求人はドイツでとても多いです。なので、職には困りにくい職業ですね。

まとめ

調理師はどの国に行っても、需要のある職業ですね。なかなか給料と仕事時間が比例しないのが残念ですが…とてもやりがいのある仕事です。

僕は5つ星のホテルで修行中に、ミシェラン2つ星のレストランで働いたりと、本当にいろいろな経験をすることが出来ました。すごく肉体的にも精神的にもハードな時間だったと思いますが、今思うと良い経験ができたなと思っています。

ドイツでの調理師免許の取得を考えている方は、このブログを参考にしていただけると嬉しいです。

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