8月中旬から10月にかけて販売される期間限定ワインです。ドイツでは、秋の訪れ・ぶどうの収穫の喜びを表すと言われています。
玉ねぎケーキのレシピでもご紹介しましたが、玉ねぎケーキとペアでフェーダーヴァイサーを楽しむのがドイツ流です。
夏の終わりからスーパーでフェーダーヴァイサーを見かけると、秋の訪れを感じます。短いドイツの秋の始まりを告げるワインとも言えますね。
今回はフェーダーヴァイサーについて詳しくご紹介します。
<フェーダーヴァイサーとは>
発酵途中の未完成な生きているワイン
名前の意味
Feder(フェーダー)…ドイツ語で「羽」を意味します。
Weißer(ヴァイサー)…ドイツ語で「白い」を意味します。
名前の由来として、二酸化炭素によりボトル内で発酵している白ワイン酵母が、まるで踊っている羽のように見えたため、このように名づけられました。
主に白ワインが中心ですが、赤ワインやロゼの種類もあります。
赤ワインだと「Roter Rauscher(ローターラウシャー)」、「Federroter(フェーダーローター)」、ロゼだと「Federroter Rosé(フェーダーロータートゼ)」とも呼ばれています。
ドイツを中心に流通しているワインですが、例えばオーストリアでは「Sturm(シュトゥルム)」、スイスでは「Suser(ズーサー)」と呼ばれており、地域によってさまざまな名称があります。
発酵
そもそも普通のワインは製造過程で簡単に言うと、ぶどうに含まれている糖がアルコールに完全に変わり、完成したものです。
しかしこのフェーダーヴァイサーは、その発酵がいわゆる未完成のワインです。そのため、ワインボトル内で酵母がまだ活動しており、その副産物として二酸化炭素が排出されています。
その影響で、フェーダーヴァイサーをグラスに注ぐと、シュワシュワと泡を発生しているのがよくわかります。
またワインの色も発酵の影響で濁っており、透き通っていません。
まだ酵母が発酵中のワイン、まだ酵母が死なずに活発に活動し、アルコールへの変換が行われている、という意味合いから「Neuer Wein」(できたての新しいワイン)とも呼ばれています。生きているワインとも
アルコール量
簡単に言うと、フェーダーヴァイサーはワインへの変身途中の未完成なワイン、ということですが、しっかりアルコールは含まれています。
それぞれの商品によって異なりますが、およそ4%から11%です。
普通のワインがおよそ12%から15%なので、まさにぶどうジュースとワインの間に位置するアルコール量です。
保管方法
まず購入の際の注意点ですが、このワインは発酵途中であり、その副産物として二酸化炭素(微炭酸)が発生しています。
そのため、実は蓋には小さな穴が開いています。そこから二酸化炭素を外に逃がす仕組みになっています。そうしなければ、ボトル内で二酸化炭素がたまり、爆発してしまうからです。
したがって、横にして運ぶことは不可能です。ワインの中身が漏れます。
購入後は冷蔵庫で冷やして飲みのが一般的です。赤ワインの場合も同様です。その方がさわやかな味わいになります。
味
味は一般的に、とてもフルーティーでジューシーで、甘いお酒です。
もちろん各ワイナリーによって、風味の違い等はあります。
ちょっと日本のチューハイと似ているかもしれません。でもそこまで炭酸は効いていないです。
アルコール量も低いので、アルコールが苦手な人もグビグビ進みます。
ペアリング
ドイツでは、伝統的に定番として、玉ねぎケーキと合わせて楽しむのがとても人気です。
ブログ記事はこちらです。
玉ねぎケーキ自体は玉ねぎたっぷりでベーコンの塩気が効いているのと、サワークリームの影響で少し重いキッシュです。
そこでフェーダーヴァイサーのスッキリさわやかな味わいと、ほんのりした甘さが非常によく合います。
また薄いピザのような、「Flammkuchen(フラムクーヘン)」とも、よく合います。
フェーダーヴァイサーが出始めるこの時期のドイツでは、今年のぶどうの収穫をお祝いし、昨年できたワインのお披露目をする「Wein Fest(ワインフェスト)」と呼ばれるお祭りが各地で催されます。
このワインフェストがとても大好きです。たくさんのワイナリーのワインが一度に一か所に集まるので、沢山の美味しいワインを安い価格で楽しめます!
例えば、街中に大きな広場などでワイナリーが出店を出し、その年にできたワインをふるまいます。そこでもこのFlammkuchenは人気で、フェーダーヴァイサーやワインと一緒に楽しむのがドイツの定番です。
まとめ
今回はフェーダーヴァイサーについてのご紹介でした。
このワインは発酵途中だからこその良さがあるワインです。つまり、購入後の品質の持ちがよくありません。あまり時間を置きすぎてしまうと、発酵が終わってしまいます。また蓋に穴も開いているので、そもそも持ち運びも難しいです。
そのためとても残念ですが、お土産として日本に持ち帰ることは不可能です。
ドイツへ秋にお越しの際には、この期間限定ワインの美味しさをお見逃しなく、是非ご堪能ください!
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